「そう、恋情。つまりは、好きって気持ちが必要なの」 サンドイッチをはむはむしながら、なるほどと思った。 確かに好きって気持ちがないと何も始まらない。 「そして、好きって気持ちと、好きって気持ちがこうやって重なり合って、初めて愛になるの。さっき惜しいって言ったのはそういう意味」 真奈が手で作ったハートマークを見ながら、私は彼女に拍手を送りたくなった。 さすが場数を踏んできただけのことはある。 愛は孤独からは生まれないんだ。