思えば、私はずっと前から恋がしたかったんだと思う。 でも、したいなあと思うだけで何か行動を起こそうとか、そんなことは一切考えていなかった。 恋がしたいと思うだけじゃなくて、それを声に出すことが大事だったんだ。 それが真奈の耳に入ったことで、さび付いていた時計の針が急速に回り始めたみたいに、 気づけば、いつもと同じようで、実はまったく違う景色の中にいた。 「昨日までの理沙が今の理沙を見たら、きっと驚くね」 まったく、真奈の言う通りだ。 今でも私が私じゃないような感覚がある。