本の種類は豊富だった。
純文学、大衆文学、ビジネス書、ラノベ、海外小説はもちろん、雑誌、参考書、絵本、漫画、誰が買うんだろう、地球儀まで置いてあった。
新しいものは、今話題になっているものがズラリ。古いものでも、教科書で習った作家の本や、絶版になってそうなものまであった。
よくもまあ、寝てるくせに、これだけ厳選できたものだと感心する。
「いいとこ取りって感じだね」
「でしょ? どれも良書だよ」
本当にその通りだと思った。ここなら見つかる。
「でも」と下村くんが言う。
「生涯でここにある本を全部読むには、あまりにも時間が足りない。世界中の人全員と出会うのと同じようにね。本は一期一会なんだよ」
「一期一会って、一生に一度の出会いみたいな意味じゃなかった? でも、本は買って置いておくことができるでしょ?」
「出会い自体は一生に一度だよ。僕たちの出会いだって一期一会さ。その後、二人の関係がどうなっていくかはまた別の問題」
そう言われて、私と下村くんの出会いがこの先、どうなっていくんだろうかと考えてみた。
もちろん、それは当人たち次第だし、そのうちの一人である私にもどうなるかなんてわからない。



