彼氏の上手なつくりか譚






本屋は本当に駅からすぐ近くのところにあった。


そして、本当に雰囲気のある、古き良き「アンティーク」という言葉がぴったりな本屋。


「こんにちは」


下村くんがガラガラドアを引きながら言った。


自動ドアがほとんどの昨今、ガラスの引き戸ってところがなかなかセンスがあっていい。


店内もいい。すごくいい雰囲気。


本の匂いに包まれたこじんまりとした店内。奥にレジがあって、おじいさんが猫を膝に乗せながら、舟を漕いでいる。


「ああやっていつも寝てるんだ。お客が来てもお構いなし」


そう下村くんが教えてくれた。


ああやって一日中寝ながら生活ができるなんて、本屋の開業、いいかもしれないと思った。