ショッピングモールにつき、中に入る。



「きゃいもの?」




「うん、買い物だよ。あ、西田重くない?変わるよ。」




ずっと來人を抱っこしてくれている西田に聞く。そしたら西田は「こんなの余裕だわ」と、ニコッと笑った。西田のその笑い方、小学校のときからずっと変わらない。私、結構好きなんだよね、あの笑い方。





「あ、このアクセサリーショップ、いい感じじゃない?」




「たしかに。姉ちゃん最近ピアス開けたらしいし。」





「そっか。ピアスデビューしたんだね!」





私は高校に入ってすぐにあけた。うちの家はみんな高校生になったらあけてる。あけなきゃいけないってことはないけれど、なんだかみんなあけてるの。




「西田ピアス買う?」





「んー、そうしようかな。」







「なら私、ピアスとおそろいのネックレスにするね。ペア系だと結構使いやすいと思うし。」







「ならそーしよ。……そういや、お前もあけてんのな。」






「え?ああ、うん。西田はあけないの?」






西田の腕の中で眠りそうな來人。夜眠れなくなるけど…まあ、いいか。






「あけてーけど痛そうじゃん。」






「そこまで痛くないよ。これどう?」






「…あけるの考えよっかな。うん、いい。これにしよ。」






2人でお会計をする。先に私がし終わったから店内を見て回る。すごく可愛いアクセサリーがたくさんあって、ほんとに全部欲しい。






「あ……。」






ふと私の目にとまったのは、ハートの小さなピアス。銀色で特別飾りはついていないけれど、とても可愛い。欲しいな……でも、今月金欠だし。また来月買いにこよ。






「お待たせ。」





「あ、終わった?じゃあ出よ!」





アクセサリーショップを出る。來人は結局西田の腕の中で眠ってしまっていた。





「あー、來人寝ちゃったか……。」





「うん。あ、クレープ食って帰る?」





んー、今日ぐらいは買い食いして帰ってもいいよね。





「うん!」





「じゃあ俺買ってくるから、來人よろしくな。」






「あ、お金!」






「いいよ。今日付き合ってくれたお礼。いつものイチゴでいい?」





「うん、ありがとう!」





付き合ったって、私も結局買い物してるし、全然いいのに……。私はしばらくの間、來人を抱っこして待っていた。でもクレープを買ってくると言う割には、とても時間が長くて少し心配になってくる。





「ごめん!結構混んでてさ!はい!」





「ありがと!ほんと遅いから心配したよ。」






西田からクレープを受け取り食べる。口の中にイチゴの甘酸っぱい酸味と、クリームのなめらかな甘さが広がる。





「美味しい〜!!!」





「ははっ!ほんとお前昔から、このクレープ好きだもんな!」





「うん!」





小さい頃からここのクレープが、本当に大好き。……そのあと、クレープを食べ終わりショッピングモールを出て家に帰る。