「卓球部に入らない?!」
「そこの君!漫研に入らない??」
「絵が好きそうな顔してるね!是非美術部へ!」
始業式が終わり、クラスでの学活も終わったあと、部活に所属している人達は争いをしていた。そう、部活勧誘。私たち吹奏楽部もそのうちの1人で、1人でも多くの新入部員を集めようと必死になっている。
「そこの君〜!私と一緒に楽器を演奏しない??」
美麗も私と同じ吹奏楽部で、新入生に声をかけまくっている。私は吹奏楽部のスペースで、新入生への入部するにあたっての手紙と入部届を渡している。
「あの、入部届を貰いたいんですけど……。」
「あ、はい!これが入部届で、こっちが入部したあとのこととか、練習時間の説明が書いてある紙です!このあと、演奏会するので、よければ来てください!」
同じセリフを何回も何回も言う。今年結構新入部員いっぱい入ってきそうだな……。
「桃愛ちゃん!新入部員に渡す、入部にあたっての紙無くなりそうだから、職員室でコピーしてもらってくれない?」
「わかりました!何枚ぐらいしますか?」
「んー、残りこれだけだから……30枚ぐらい!」
「わかりました!」
先輩頼まれ私は職員室へ。人がごったがえすピロティを小走りでぬける。
「おい、小森!お前どこいくんだよ?」
通り抜ける私の姿を見つけて、声をかけてきた西田。バスケ部のブースもかなりの人で溢れている。
「新入生への案内の紙なくなりそうだから、コピーして貰いに行くの!」
「じゃあついでにバスケ部のやつも、コピーしてきてくんない?」
紙をピラピラっとさせて言う。
「やだよ。私急いでるんだから。」
「いや、そう言わずに!お願いだって!俺ら今日用事に何人か帰ってて、人数足りねーんだよ。」
そう言われてしまえば、嫌といい続けれない。こいつ、私がそういう性格だって知ってて言ってるな?
「わかったよ。何枚?」
「20枚ぐらい!」
職員室につき、コピー機で、吹奏楽部の分をはじめにコピーする。先生達はピロティにいるからほとんどいなくて、残っていた先生にコピーは自分でしろと言われた。
「これで全部…だよね。」
普通に重たい紙束を持って職員室をでる。50枚は多い。西田のやつ……。はぁー、最悪。重たいそれを抱えながら、廊下の角を曲がる。
「うわぁ!!!!!」
「わぁ!!!!」
ドンッ!!!!!
曲がった瞬間、鈍い音と共に私は尻餅をつき、抱えていた紙はパラパラと宙に舞う。
「あぁ!ごめん!!!!大丈夫??」
ぶつかった相手は慌てたように私に手を差し出す。その手に捕まり、立たせてもらう。
「私の方こそごめんなさい。」
そう謝って廊下に散らばった紙を見る。あれ……?私が持ってたものじゃない紙まである。
「野球部……?」
「あ、そう、俺野球部!紙足りないからコピーしてきたところだったんだ。」
「私もなんです。」
「吹奏楽部?……ん?バスケ部??あ、マネージャー?」
ぶつかった人は頭に?を浮かべる。ああ、そっか。私バスケ部のも持ってたんだっけ。
「私は吹奏楽部です。バスケ部の方は頼まれたもので……。」
「ああ、なるほど。」
廊下に散らばった紙を集める。バラバラになっているから意外と大変で、集め終わった頃には結構な時間が経っていた。
「ほんとにごめんな。」
「あ、いえ…。私も前見てなかったんで!」
私がそう言うと、ぶつかった相手はニコッと1回笑った。わぁ、なんて綺麗な笑顔なんだろ……。
「名前は?」
そんなことを考えていた時、突然言われ、ビックリしながらも答える。
「えーと、2年C組小森桃愛です!!」
「あ、後輩ちゃんか。俺、3年C組、平野颯太。よろしく!」
「よっよろしくお願いします!」
「じゃ!」
ぶつかった相手……平野先輩はサッと走っていってしまった。まさか、先輩だったなんて。そういえば、美麗が1年生の頃に野球部の平野先輩がかっこいい……って言っていた気がする。まあ、美麗はいつも誰かをかっこいいって言ってるから、記憶はあんまり確かではないけれど。
「あぁ!!はやく戻らないと!!!」
廊下を走り、ピロティへ。ダッシュでバスケ部のブースに向かった。
「西田!」
「やっときた。おせーよ、お前。」
「ごめん!はい、これ!」
バスケ部の紙を西田に渡す。それを受け取った西田は笑顔で「さんきゅー。」と一言、そのまま新入生が待つ場所へ戻っていった。
「あ、桃愛ちゃーん!!!」
バスケ部のブースから少し行くと、吹奏楽部のブースが見えた。そこから先輩が手を振っている。
「先輩!遅くなってすいません!」
「全然大丈夫だよ!でもなんかあったかって心配した〜。」
「ちょっと人とぶつかって、ばらまいちゃって。」
「えぇ!大丈夫???」
「大丈夫です!」
先輩と話しながら、チラッと野球部のブースを見れば、笑顔でビラを配る平野先輩の姿があった。
「そこの君!漫研に入らない??」
「絵が好きそうな顔してるね!是非美術部へ!」
始業式が終わり、クラスでの学活も終わったあと、部活に所属している人達は争いをしていた。そう、部活勧誘。私たち吹奏楽部もそのうちの1人で、1人でも多くの新入部員を集めようと必死になっている。
「そこの君〜!私と一緒に楽器を演奏しない??」
美麗も私と同じ吹奏楽部で、新入生に声をかけまくっている。私は吹奏楽部のスペースで、新入生への入部するにあたっての手紙と入部届を渡している。
「あの、入部届を貰いたいんですけど……。」
「あ、はい!これが入部届で、こっちが入部したあとのこととか、練習時間の説明が書いてある紙です!このあと、演奏会するので、よければ来てください!」
同じセリフを何回も何回も言う。今年結構新入部員いっぱい入ってきそうだな……。
「桃愛ちゃん!新入部員に渡す、入部にあたっての紙無くなりそうだから、職員室でコピーしてもらってくれない?」
「わかりました!何枚ぐらいしますか?」
「んー、残りこれだけだから……30枚ぐらい!」
「わかりました!」
先輩頼まれ私は職員室へ。人がごったがえすピロティを小走りでぬける。
「おい、小森!お前どこいくんだよ?」
通り抜ける私の姿を見つけて、声をかけてきた西田。バスケ部のブースもかなりの人で溢れている。
「新入生への案内の紙なくなりそうだから、コピーして貰いに行くの!」
「じゃあついでにバスケ部のやつも、コピーしてきてくんない?」
紙をピラピラっとさせて言う。
「やだよ。私急いでるんだから。」
「いや、そう言わずに!お願いだって!俺ら今日用事に何人か帰ってて、人数足りねーんだよ。」
そう言われてしまえば、嫌といい続けれない。こいつ、私がそういう性格だって知ってて言ってるな?
「わかったよ。何枚?」
「20枚ぐらい!」
職員室につき、コピー機で、吹奏楽部の分をはじめにコピーする。先生達はピロティにいるからほとんどいなくて、残っていた先生にコピーは自分でしろと言われた。
「これで全部…だよね。」
普通に重たい紙束を持って職員室をでる。50枚は多い。西田のやつ……。はぁー、最悪。重たいそれを抱えながら、廊下の角を曲がる。
「うわぁ!!!!!」
「わぁ!!!!」
ドンッ!!!!!
曲がった瞬間、鈍い音と共に私は尻餅をつき、抱えていた紙はパラパラと宙に舞う。
「あぁ!ごめん!!!!大丈夫??」
ぶつかった相手は慌てたように私に手を差し出す。その手に捕まり、立たせてもらう。
「私の方こそごめんなさい。」
そう謝って廊下に散らばった紙を見る。あれ……?私が持ってたものじゃない紙まである。
「野球部……?」
「あ、そう、俺野球部!紙足りないからコピーしてきたところだったんだ。」
「私もなんです。」
「吹奏楽部?……ん?バスケ部??あ、マネージャー?」
ぶつかった人は頭に?を浮かべる。ああ、そっか。私バスケ部のも持ってたんだっけ。
「私は吹奏楽部です。バスケ部の方は頼まれたもので……。」
「ああ、なるほど。」
廊下に散らばった紙を集める。バラバラになっているから意外と大変で、集め終わった頃には結構な時間が経っていた。
「ほんとにごめんな。」
「あ、いえ…。私も前見てなかったんで!」
私がそう言うと、ぶつかった相手はニコッと1回笑った。わぁ、なんて綺麗な笑顔なんだろ……。
「名前は?」
そんなことを考えていた時、突然言われ、ビックリしながらも答える。
「えーと、2年C組小森桃愛です!!」
「あ、後輩ちゃんか。俺、3年C組、平野颯太。よろしく!」
「よっよろしくお願いします!」
「じゃ!」
ぶつかった相手……平野先輩はサッと走っていってしまった。まさか、先輩だったなんて。そういえば、美麗が1年生の頃に野球部の平野先輩がかっこいい……って言っていた気がする。まあ、美麗はいつも誰かをかっこいいって言ってるから、記憶はあんまり確かではないけれど。
「あぁ!!はやく戻らないと!!!」
廊下を走り、ピロティへ。ダッシュでバスケ部のブースに向かった。
「西田!」
「やっときた。おせーよ、お前。」
「ごめん!はい、これ!」
バスケ部の紙を西田に渡す。それを受け取った西田は笑顔で「さんきゅー。」と一言、そのまま新入生が待つ場所へ戻っていった。
「あ、桃愛ちゃーん!!!」
バスケ部のブースから少し行くと、吹奏楽部のブースが見えた。そこから先輩が手を振っている。
「先輩!遅くなってすいません!」
「全然大丈夫だよ!でもなんかあったかって心配した〜。」
「ちょっと人とぶつかって、ばらまいちゃって。」
「えぇ!大丈夫???」
「大丈夫です!」
先輩と話しながら、チラッと野球部のブースを見れば、笑顔でビラを配る平野先輩の姿があった。