7年前……






「おはよ!桃愛!」




学校に入って1番に声をかけてくれる、私の親友の美麗。





「おはよ、美麗。」







艶のある綺麗な髪、くりくりっとした大きな瞳。美麗は誰が見ても美人。






「今日から2年生だよ!後輩にかっこいい子いるかな……?」







「んー、どうだろ。あ、でも西田が推薦で入ってきた人がかっこいいって言ってたよ?」






西田っていうのは、私の小学校の時からの幼馴染。美麗とは高校で初めて知り合ったんだけどね。






「え、ほんと!?今度こそ彼氏GETかな〜!」








美麗はそういって、くるくるとその場でまわってる。ほんとに美人なんだけどな……なぜだか彼氏はできない。という私も未だに彼氏できたことないんだよね。








「あ、西田くん!おはよー!!!」







美麗が挨拶した方に目をやると、眠そうに目を擦りながらやってくる西田。寝癖はピンピンだし、菓子パンは手に持ったままだし、ああ、今日も寝坊したんだろうなってまるわかり。







「おはよ、片桐。」






「あのね、今桃愛と話してたんだけど…かっこいい後輩がバスケ部入るってほんと?!」







「え、ああ、入るよ。今ピロティいるし。」







「えぇ!!見に行かなくちゃ!!!」








慌てて教室を出ていった美麗。私と西田はおいてけぼり。







「あはは、さすが美麗。」







「だな。」








「…おはよ、西田。今日も寝坊?」








「おはよ。俺が寝坊しない日はない。」








「それダメじゃん。もう高2になったんだから、自分1人で起きれるでしょ?」







小学校の時から寝坊しまくり。両親は仕事で朝早く出るらしく、起こす人はいない。だからいつも朝電話してあげてるんだけど……中々出ない。今日なんか学校の門でもう1回かけたからね?!






「私が電話しなかったら、西田どうするの?」






「遅刻する。ていうか、ずっと電話してくれるだろ?」






「高校までね!!」






こうやってなんだかんだ、西田に甘いのが私。








キーンコーンカーンコーン






チャイムがなり、みんながバラバラと席に座り出す。出席番号順に座っていて、私と美麗は運良く隣。か行の人数が多くてよかった……。西田は結構離れてる。





「桃愛!!」





「あ、おかえり美麗。ギリギリセーフだね。」






「うん!頑張って走って帰ってきたもん!というか!かっこよすぎる!!!!!!あれは本当にイケメン!!!!!」






「そっか……。」






こちらに身を乗り出して話す美麗。







先生「よーし、全員揃ってるっぽいな。廊下並べ〜、体育館行くぞ!」






うちの担任のかなり適当な先生が来て、廊下に出席番号順に男女別1列に並ぶ。残念ながら美麗とは遠くなり、イケメンくんの話をすることはできない。







「お前今日部活?」







「!?西田か……急に話さないでよ。」







「ああ、ごめん。で、部活?」







「うん。新入生勧誘して、それが終わったら新入生に向けての演奏会をやるんだ。」







「へぇ〜。俺らは部活なし。だから遊ぶ!」








「いいな〜。まあ、私もすぐ終わるからいいんだけど。」







西田と話しているうちに体育館に。中に入り席につき、これから始まる新学期に期待を膨らませた。