翌日も、朝食をとると、皆すぐにスキー板を担いで雪山に向かった。
亜紀は私を気遣ってか、「これ私からの差し入れ!」って売店で買ってきた雪山限定のクッキーを私に渡して皆の方へ走って行った。
皆の後ろ姿を見送りながら、早速封を開けてみる。ホワイトのクリームがかかったクッキーはふんわり甘くておいしかった。
クッキーをかじりながらロビーの時計に目をやると九時を少し回ったところ。
澤井さんとは十時に待ち合わせだったけど、本当にきてくれるだろうか。
辺りをさりげなく見回すも、その姿はまだ見当たらなかった。
バッグに入れてきた文庫本を広げる。
スキー行くのに文庫本なんて邪道!って、出発前に妹に笑われたけれど結局は今こうして役に立ってる。残念な流れだけれどね。
目の前に置いたカフェオレのカップからコーヒーの香ばしい匂いが鼻をかすめる。
相変わらず今日も晴天でガラスの向こうには、くっきりと眩しい青に映える雪山が私を悠然と見下ろしていた。
文庫本を広げて文字を目で追うけれど、気持ちは澤井さんに行ってしまってちっとも頭に入ってこない。
何度も時計を見ながら、こんなにも時間の経過がもどかしいと思う自分がまるで澤井さんに恋をしているみたいだと笑ってしまいそうになる。
もともと男性は苦手だし、誰かを好きになるのに慎重に慎重を期すタイプだったから、一目惚れなんてしたことがなかった。
だからきっとこれも恋ではないとは思っている。
あんな素敵な人に初めてあったから、ちょっとミーハー的な心境になってるだけだ。
「谷浦さん?」
背後から聞こえたその声は紛れもなく澤井さんだと瞬時にわかった。
振り返るのが恐いくらいに胸が高鳴っていた。
亜紀は私を気遣ってか、「これ私からの差し入れ!」って売店で買ってきた雪山限定のクッキーを私に渡して皆の方へ走って行った。
皆の後ろ姿を見送りながら、早速封を開けてみる。ホワイトのクリームがかかったクッキーはふんわり甘くておいしかった。
クッキーをかじりながらロビーの時計に目をやると九時を少し回ったところ。
澤井さんとは十時に待ち合わせだったけど、本当にきてくれるだろうか。
辺りをさりげなく見回すも、その姿はまだ見当たらなかった。
バッグに入れてきた文庫本を広げる。
スキー行くのに文庫本なんて邪道!って、出発前に妹に笑われたけれど結局は今こうして役に立ってる。残念な流れだけれどね。
目の前に置いたカフェオレのカップからコーヒーの香ばしい匂いが鼻をかすめる。
相変わらず今日も晴天でガラスの向こうには、くっきりと眩しい青に映える雪山が私を悠然と見下ろしていた。
文庫本を広げて文字を目で追うけれど、気持ちは澤井さんに行ってしまってちっとも頭に入ってこない。
何度も時計を見ながら、こんなにも時間の経過がもどかしいと思う自分がまるで澤井さんに恋をしているみたいだと笑ってしまいそうになる。
もともと男性は苦手だし、誰かを好きになるのに慎重に慎重を期すタイプだったから、一目惚れなんてしたことがなかった。
だからきっとこれも恋ではないとは思っている。
あんな素敵な人に初めてあったから、ちょっとミーハー的な心境になってるだけだ。
「谷浦さん?」
背後から聞こえたその声は紛れもなく澤井さんだと瞬時にわかった。
振り返るのが恐いくらいに胸が高鳴っていた。



