澤井さんは相変わらず忙しい日を送っているようだった。
明日の晩からまたニューヨークに発つらしい。
今回は長期の滞在になるということで、夜、店まで会いに行くと言ってくれた。
丁度仕込みが終わり、山川さんと椅子に座って一服していたところに澤井さんがやってきた。
「あら、彼氏のお出ましだわ」
山川さんは楽しそうに体を震わせると、お茶を飲み干し彼に会釈をして言った。
「こんばんわ、澤井さん。後はどうぞお二人でごゆっくりなさってね」
「ああ、山川さん、いつもお世話になっています」
澤井さんは遠慮して帰ろうとする山川さんに苦笑しながら頭を下げた。
「真琴ちゃん、また明日ね。お先に失礼するわねぇ」
山川さんは私達に明るく手を振ると、店を出ていった。
ピシャっと店の入り口の引き戸が閉まる音が厨房に響く。
「お茶、入れますね」
そう言って椅子から立ち上がろうとしたら、そのまま彼に抱きすくめられる。
「しばらくニューヨークに行かなくちゃならない」
彼の低音が耳元で響く。
「はい、長期滞在になりそうだってこの間言ってましたもんね」
「実は、まだきちんと話していなかったが、正式にニューヨーク支店長として行くことが決まったんだ」
「え」
近いうちにそうなるって言ってたこと、色んなことがありすぎてすっかり頭から抜けていた。
「って、ひょっとして明日から?」
「ああ。とりあえずこちらの引き継ぎ等でまた日本には戻るけれど、いつ戻れるかはまだ決まってない」
私は彼の背中にしがみつく。
せっかく、また彼との日々に支えられていたのに。
だけど・・・・・・。
明日の晩からまたニューヨークに発つらしい。
今回は長期の滞在になるということで、夜、店まで会いに行くと言ってくれた。
丁度仕込みが終わり、山川さんと椅子に座って一服していたところに澤井さんがやってきた。
「あら、彼氏のお出ましだわ」
山川さんは楽しそうに体を震わせると、お茶を飲み干し彼に会釈をして言った。
「こんばんわ、澤井さん。後はどうぞお二人でごゆっくりなさってね」
「ああ、山川さん、いつもお世話になっています」
澤井さんは遠慮して帰ろうとする山川さんに苦笑しながら頭を下げた。
「真琴ちゃん、また明日ね。お先に失礼するわねぇ」
山川さんは私達に明るく手を振ると、店を出ていった。
ピシャっと店の入り口の引き戸が閉まる音が厨房に響く。
「お茶、入れますね」
そう言って椅子から立ち上がろうとしたら、そのまま彼に抱きすくめられる。
「しばらくニューヨークに行かなくちゃならない」
彼の低音が耳元で響く。
「はい、長期滞在になりそうだってこの間言ってましたもんね」
「実は、まだきちんと話していなかったが、正式にニューヨーク支店長として行くことが決まったんだ」
「え」
近いうちにそうなるって言ってたこと、色んなことがありすぎてすっかり頭から抜けていた。
「って、ひょっとして明日から?」
「ああ。とりあえずこちらの引き継ぎ等でまた日本には戻るけれど、いつ戻れるかはまだ決まってない」
私は彼の背中にしがみつく。
せっかく、また彼との日々に支えられていたのに。
だけど・・・・・・。



