なーたんside




入学式当日、私は遅刻寸前だった。

本当についてない…

目覚まし時計の電池切れてるとか!?

よくある漫画みたいに食パンくわえて走る?

そんなことはしませんよぉ〜

おにぎり食べながら自転車で爆走してます(笑)



「やっと着いたぁ〜。って急げええええ!!」



自転車を投げ出して、急いで廊下を駆けてゆく。

【あー、青春だなぁ】なんて馬鹿みたいなことを考えながら走っていたら、ふと体に衝撃が走った。

あまりの勢いに尻もちをついて



「あだっ!」



って変な声を出してしまう始末…

謝らなきゃって顔を上げると、目の前に差し伸べられた私より大きな手。



「大丈夫かー?走るからだぞ(笑)」


なんて悪魔の笑みを浮かべて見下ろすのは友達の 綾人(あやと) だった。