極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

「逢沢、さん……」

「悪いが、あいつのことは忘れてくれ」

視界を遮るように、彼の右手が私の左頬に触れ、顔を運転席に向けられた。

「俺を見ろ。三花」

身を乗り出してきた彼に両頬を掴まれて、乱暴に引き寄せられた。

抵抗すら出来ぬまま、強引に唇を奪われる。

熱っぽい唇、もう一年も経ったっていうのに、あの日の感触が蘇ってきて、同時に、彼への愛おしさと、一年間耐え続けてきた寂しさが、堰を切るように押し寄せてきた。

「神崎さん、私……」

涙が、瞳から勝手に溢れ出てくる。

嫌だ、こんな情けない顔、見られたくないのに。

一年経っても情けないままだって思われたくない。

この一年、どれだけ私が恋い焦がれていたのか、バレてしまう……。