極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

「待て!」

逢沢さんの制止の声も聞かずに、神崎さんは私の肩を抱いて、玄関へ連れていく。

「神崎! どうして彼女に固執するんだ! お前なら他にいくらでも女がいるだろう」

ハッとして、私は振り返って逢沢さんを見た。

けれど、神崎さんの手が私の首筋に絡んできて、強引に体を持っていかれる。

「それを言うなら、お前こそどうして彼女を選んだんだ。俺が選んだ女だからか?」

神崎さんの言葉にぎくりとして身を強張らせる逢沢さんの姿が見えた。

それって、どういう……?

眉をひそめていると、突然神崎さんが廊下に落ちていた私のバッグを拾い上げ、私の胸元へと放った。

驚いてキャッチするも、わずかによろめく。

そして次の瞬間、神崎さんは私の膝をすくい上げ、勢いよく抱きかかえた。

「きゃあぁっ」

体が浮き上がり、脚が地面を離れてブラブラする。これはまさしく、お姫様抱っこというやつだ。