極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

「お前を満足させられるのは俺しかない。お前だって、わかってるだろ」

苦しい。胸が痛い。もうやめて。その通りだ。私を満たしてくれるのは、ずっと昔から彼だけだった。

「三花!」

強く名前を呼ばれた瞬間、私の中のなにかが吹っ切れた。

反射的に手を伸ばすと、神崎さんはその手を取り強く引き寄せ、自分の懐へと押し込めた。

「やっ……」

咄嗟に拒もうとしたけれど、彼の熱と蠱惑的な香りに包まれ、予期せず一年前のあの夜を思い出してしまった。

けっしてなかったことにはできない、愛を誓った夜だ。

「咲島さん、行っちゃダメだ!」

私を引きとめる逢沢さんの声に、理性と欲望がせめぎ合いをする。

私だって、わかってる。行っちゃダメ。

でも、彼の腕の中から逃げ出したいと思うのと同時に、このまま彼に、奪われてしまいたい、もう一度、彼のぬくもりで私の体を満たしてほしいと願ってしまって……。