極上恋夜～この社長、独占欲高めにつき～

「神崎、帰ってくれ！　君がいない一年間、彼女を支え続けてきたのは俺だ！」

逢沢さんは、私の視界を奪うように自らの肩に私の顔を押しつけながら、神崎さんへ怒りをぶちまける。

「もう彼女の中にお前の居場所なんかない。さっさと消えてくれ」

ズキン、と胸が痛む。

一年越しに、やっと会うことが出来た神崎さん。本当は、彼の胸に飛び込んでしまいたいくらいだけれど。

逢沢さんの言っていることは正しいのかもしれない。

だって、神崎さんには婚約者がいるんだもの。

逢沢さんは、私のために厳しいことを言ってくれているのだろう。

もうこれ以上、私が遊ばれないように、誘惑に流されてしまわないように……。

逢沢さんの優しさを、無駄にしちゃいけない。

意を決すると、私は思い切って逢沢さんを抱きしめ返した。

「わ、私は、逢沢さんとお付き合いすることに決めたんです！　神崎さんなんて、もう忘れたんだから！」