極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

「神崎さ……」

「いい加減、苗字で呼ぶのやめろって」

神崎さ――京吾が伏し目がちに私を叱る。

「……お互い仕事があるし、俺がこんな役職についているせいで、一緒の時間を捻出するのが難しいだろ? お前は少しずつとか言うけど、俺はまどろっこしいことが嫌いなんだ。さっさとケジメ、つけさせろ」

乱暴にそう言って、私の頬に指先を滑らせる。

思わず、右手に持っていたエプロンを床に落としてしまったけれど、私の視線は彼に釘づけられたまま、動けない。

「段取りとか、ムードとか、面倒なこと全部すっ飛ばして単刀直入に言う。俺と結婚してくれ」

意志の強い瞳が、私の心を捕まえて縫い留めた。

彼らしい、なんの飾り気もない、真っ直ぐな言葉。まさかプロポーズまで、こんなにも面倒くさがりだなんて、笑っちゃう……。