極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

神崎さんがいなくなった後、私のことを一番に支えてくれたのは逢沢さんだった。

彼にはどれだけ感謝をしてもしたりないくらいだ。

けれど、逢沢さんは「やめてくれ」と私の言葉を遮った。

「当たり前の仕事をしただけだよ。改めてお礼を言われるようなことじゃない。それに、俺個人としては、君にいくら謝ったって謝り切れないくらいで……」

彼が言葉に詰まったから、今度は私の方から「いえ……」と言葉を遮った。

「……ここまで育ててくれて、本当にありがとうございました」

彼は、私への興味は神崎さんへの反抗心だったと言っていた。

けれど見せてくれた笑顔は私の心を落ち着かせてくれたし、親切は本当にうれしかった。

今、ここにいることができるのは、逢沢さんのおかげでもあるから。

「……ありがとう。そう言ってくれて」

柔らかな笑顔とともに差し出された右手を、私は両手で包み込む。

どうか、お互いの未来が、輝かしいものでありますように。

さようならの代わりにありがとうの気持ちを詰め込んで、彼の手を強く握り返した。