極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

「異動願いなんか……出していたんですか……?」

それって、営業二課に不満があったってことだろうか。もしかして、私のせい……?

顔色を曇らせた私に逢沢さんは弁解する。

「決してネガティブな理由の異動ではないんだ。ステップアップとして考えている。……これでやっと、誰の影にも縛られることなく、自分らしく働くことができる」

そう言う逢沢さんは、吹っ切れたような清々しい表情をしていた。

もしかしたら逢沢さんは、ずっと神崎さんの影に縛られ続けてきたのかもしれない。

後任という立場もあって、自分自身も周りも、どうしても神崎さんの存在を意識してしまうから。

「君のプロジェクトを最後までサポートできなくてすまない……ただ、あまり心配はしていないんだけどね。ここ三か月を見る限り、君はちゃんとやっているし、周りも君のフォローをしてくれているようだし」

「……みなさんのおかげで、なんとか、といった感じです。それから、逢沢さんのサポートがあったので――」