極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

……いつだったのだろう。彼が水上さんに情熱を傾けていた時期は。

あるいは、もっと最近の話だろうか? もしかして、私と約束の一夜を交わした後、ここ一年の間に付き合っていた、とか……?

胸がぎゅっと押しつぶされるように痛んで、バレないようにこっそりと左胸を押さえた。

いずれにせよ、どうして神崎さんと水上さんがこれほど親しい間柄なのか、説明がついてしまったわけで……。

こんなこと、知りたくなかった……。

水上さんに受付まで見送ってもらい、私はとぼとぼと神崎コーポレーションを後にした。

外は湿度を含んだひんやりとした風が吹いていて、今にも雨が降り出しそうだった。

上を見上げればどんよりとした雨雲が、地上の光に照らされ蠢いている。まるで私の胸の内のように、ゴロゴロと不気味な音を立てた。

空が雨粒を落とすのと、私が耐え切れず泣き出すの、どちらが早いだろう。