極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

イベント――私が見た、音と美食のライブってやつだろう。

食材販売店のイベントだから果物なのか、とまじまじと紙袋の中を覗き込むと。

「お前、フルーツ、やたら好きじゃなかったか?」

彼の言葉に、私はこくこくと頷く。

「覚えていてくれたんですね」

「あんだけがっつかれれば、忘れられないだろ」

うっ、と私は恥ずかしくなってうつむく。

たぶん神崎さんが言っているのは、社員旅行のバイキングでの出来事――私がひとり黙々とフルーツ盛りを貪っていたのを覚えているんだろう。

フルーツは大好きだ。けれど、自分で買うと高いから、普段なかなか思う存分食べられないのが辛いところ。

「すごい……こんなにたくさん! しかも高級そう」

紙袋の中を眺めながら、私は感嘆の声をあげた。

マスカットなんて、粒がひとつひとつ大きく膨れていて、ぎゅうぎゅうに詰まっている。色も形も綺麗で宝石のようだ。絶対美味しい。