極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

サッと隣にいた女性が、携帯端末を取り上げた。

彼女が代わりに画面を操作すると、私の耳元にあった携帯から呼び出し音が消えた。強引に切られたのだ。

女性は神崎さんの携帯を自分のポケットにしまって、ポカッと、叱るように神崎さんの胸元を叩いた。

神崎さんは、たぶん「返せ」と言ったのだろう、手の平を彼女に差し出すと、彼女はパンとそれを払いのけ、ピタッと彼の腕に寄り添うように、隣に立った。

この女性――秘書にしては親しすぎないだろうか。普通、自分の会社の社長の携帯を奪ったり、手を払いのけたりしないよね?

今だって、彼女のようにぴったりと寄り添って、仕事上のパートナーにしてはありえない距離感だ。

その人……誰?

もやもやと胸の中で、黒い感情が広がっていくのを感じた。

……やだな、仕事のパートナー相手に、私なに嫉妬してるんだろう。

けれど、と胸の奥で小さく悪魔が囁きかける。

ただの仕事のパートナーではなかったら……?