極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~

「お前の方は――九時半ぎりぎりだな」

道の込み具合を見ながら神崎さんが予測を立てる。

もしも遅刻してしまったら、上司である逢沢さんになんと言いわけしよう。

夕べ、お酒を飲みすぎて泥酔して、そのうえ夜中に男の家にお持ち帰りされて遅刻しました、なんて口が裂けても言えない――というか、言うまでもなく逢沢さんはすでに事情を知っている。

気まずい。

「遅刻の理由、逢沢さんになんて言ったら……」

「そのまま言えよ。俺と朝からセ――」

「神崎さん!!」

「……冗談だ。二日酔いとでも言っておけよ。だいたい、お前を泥酔させたのはあいつの落ち度なんだからな」

「完全に、私の自己管理のなさじゃないですか……」

頭を抱えて助手席でうなだれる。

確かに私はお酒に弱くてすぐ歩けなくなってしまうが、せめて翌日は遅刻しないようにと気をつけてきたのに。