虫も殺さないような総長に溺愛されています





とにかく、異性的に好きだと認識している男子からこんな事されれば私だって乙女心爆発な事態になると言うのに、

「…………チュッ」

「んふぁっ!?」

キ、キスされたぁぁぁ!!?

今の絶対キスだよね!?

意図的だよね!?

タロ君の頭がモゾッと動きを見せたかと思うと、不意に首筋に押し当てられた唇の感触。

当然こんな行為は未知のモノで、漫画やドラマで焼き付けばの知識はあれど、それをされた時の心持や対応の仕方まではよく知らない。

なので、私が出来た対応と言えばだ、ひたすらにピッと硬直し、おかしな声を発しかけた唇をギュッと閉じてソーダ味の唾を飲み込むことだけ。

本当に突然の強烈ラブ展開には思考も身体も追い付かず、ただ羞恥と困惑で硬直してやり過ごしていたけれど。

「ずっと、こうしたかったんだよね」

「ふあっ?」

「ずっと……イチカが羨ましいと思ってたんだ。何の意識もせずに無条件で花さんに抱きつけて」

「っ……」

ま、まさか、タロ君が私とイチカ君の抱擁にそんな事を思っていたなんて。

羨ましいなんて、あの儚げな笑みの下に思っていたなんて。