なんか……落ち着かない。

そんな事が過った思考に気が付けば、自分自身に苛立った舌打ち響かせ煙草を口に咥えた。

肺に毒である煙を吸って吐いて、身を置き見つめるのは自分の部屋で自分のソファで。

なんか……無駄に物に溢れているな。

当たり前に必要であった家具に囲まれた自分の安寧の居場所。

……で、あった筈よね?

そんな馬鹿馬鹿しい疑問を抱く感覚さえ憎らしいと眉根を寄せて無意味にも視線を天井に向けた。



『ねぇ、ゲームをしない?』

そんな誘い文句にうっかり耳を傾けてしまったが最後。

もう逃げられぬ罠に絡めとられて始まった彼のゲーム。

『首輪を外してあげる。久々に【刺激】を求めて外を謳歌してきなよ』

『謳歌?それのどこがゲーム?』

『俺がまたその印に触れたらこの関係の継続。そうだな、契約継続の印にキスするってのはどう?』

『鬼ごっこのつもり?そんなの普通に逃げ切れるわよ?』

『逃げ切ってもいいよ』

『はっ?』

『何なら、この関係から逃げ出してもいいよ。他に強烈な刺激の誘惑があったなら仕方ないじゃない?それが性だもの』

『っ……』

『刺激は好きでしょ?…センセ、』