痛みを与えに来ていた指先が言葉より早く私の言葉を摘みにくる。

彫られたばかりのそこから肌を伝った指先が、薄い下着の生地の上から女としての入り口に触れた。

「痛みに興奮したんじゃないなら…、こんな色っぽいシミどうして出来たの?」

鬼の首を取ったように…。

言い逃れ出来ないだろう?と勝気な笑みで尚もその箇所を突いてくる意地の悪さには反抗心からの不満に満ちる。

正直を言えばだ。

…言ってしまえば、……彼に欲情しないと言ったら嘘になる。

顔はいい、性格に難はあれど甘いと言えば甘い。

しかもこんな絶妙と言える距離感の関係だ。

どんな名目つけようが男女の本能的な性はどうしてもいつかはチラつくものだろう。

に、したってだ…。

「……足癖悪いなあ。」

「手癖の悪いお子様に言われたくないっての。あんた本当に10代の高校生?いちいち口説き方が大人顔負けで可愛くない」

乗せられるか。と、彼の肩を足の先で押し返しながら、彼からの誘惑も自分の欲求も押し返すと寄りかかっていたソファマットから体を起こした。

この一線だけは感情任せに越えてはいけない。

そんな理性が勝った刹那だ、


「ねぇ、ゲームをしない?」


いつだって悪魔的な声音が【刺激】と言う甘い餌で誘いに来るのだ。