「したいんだけどなぁ」

「ペットとキスしたい程私生活に困ってるわけ?だとしたらその綺麗な顔は宝の持ち腐れね」

「いや、したいのはセックス」

「もっとないわ。私を人以下に扱って飼ってるのはセツでしょ」

「……ルージュってMだよね」

「…また、お得意の飛び具合ね。しいて言うならノーマルよ」

「ノーマルの感覚ならプライド捨てて誰かに飼われて喜んだりしない」

「別に喜んでな…」

「こんな物彫られて、」

「っ……」

「興奮したりしないでしょ?」

『嘘つき』

そんな心の声が聞こえそうな彼の意地の悪い試す様な眼差しと指先と。

敢えて彫ったばかりの痕に指先を這わせ、ヒリっと痛む刺激に体を震わせた私にクツリと笑う。

『ほら、』と言いたげに目を細める表情には、こちらも目を細め挑み返して反論に口を開けば、

「言ったでしょ。痛いのはきら…っ___」

「……説得力ないよ?」

「……」

「それにさ…期待して興奮しちゃうんだけど?」

嫌な男。

そして、『変態』と罵り殴りつけてやろうか。