――香西由真さんとの関係は?

少し前までの僕だったら、その質問にはこう答えただろう。

――ただの後輩です

好きな人がいたからと言うこともあるし、彼女との関係はそれ以上でもなければそれ以下でもなかった。

しかし、今同じ質問をされたら僕はこう答えるかも知れない。

――好きな女の子です

彼女と一緒に過ごしているうちに、僕の中でその存在が変化していることに気づいた。

いつも元気で人懐っこいイメージの彼女の意外な一面を見るたびに、知るたびに、僕はだんだんとひかれていることに気づいた。

香西由真さんは、こんなにも素敵な人だっただろうか?

ただの後輩だったはずの彼女に、僕はそう思わずにいられなかった。

そして、気づいた。

――僕は香西由真が好きなんだ、と。