由菜はポカーンと口を開けて彼女を見ることしかできなかった。

由真が1度は口に出したことを決して曲げないことをよく知っているのは、彼女の双子の姉である自分だ。

よく言えば真っ直ぐな性格、悪く言えば頑固者である。

「そうだな、来週の月曜日辺りから入れ替わってみる?」

由真が言った。

「えっ、来週の月曜日って…」

何となくわかっていたけれど、本当にやるみたいだ。

「それまでに仕事内容とか会社の人たちのことを教えるから、由菜もちゃんと教えてよ?」

「えっ、ええっ…」

「よーし、今から楽しみだー。

オラ、ワクワクすっぞ♪」

どこかのアニメの登場人物のモノマネをしながら、由真は楽しそうにオムライスを口に入れた。

「ゆ、由真ちゃん…」

楽しそうな彼女の様子に不安を感じながらも、由菜もオムライスを口に入れるのだった。