仕方ないよね…。

元はと言えば、由真ちゃんが出した提案なんだから…。

入れ替わり作戦は、本当はすぐにでも終わるはずだった。

だけども…由真ちゃんは社長に、わたしは高崎さんに近づくために、入れ替わり作戦は続けることになったのだ。

提案をしたのは由真ちゃんだけど、続けることを言ったのはわたしだ。

「――いいよね、これで…」

口に出して呟いたことに気づいたわたしだったが、由真ちゃんの耳には入っていなかったようで安心した。

でも…本当は高崎さんと離れて、元の会社に戻りたくない。

だけども、由真ちゃんは苦しんでいる。

自分の妹が苦しんでいるこの状況を見捨てる訳にはいかなくて、何も言わずに高崎さんから離れることを選んだわたしは我ながら最低だ。