「えっ、何が?」

わたしがそう聞いたら、
「由菜、もう会社を入れ替わるのはやめよう…。

あたし、もう無理だよ…」

由真ちゃんが言った。

「きゅ、急にどうしたのよ…?」

会社に入れ替わるのは大賛成だったはずの由真ちゃんが何を思って“やめたい”と言っているのかよくわからなかった。

「もしかして社長に入れ替わってたことが…?」

「ううん、バレていない」

わたしの問いに、由真ちゃんは首を横に振って答えた。

ああ、よかった…。

「…でも、索様にバレる前にやめたいの」

由真ちゃんが続けて言った。

「索様は、本当は由菜のことが好きなんだと思うんだ…。

だから、もう終わらせた方がいいと思う…」

そう言った由真ちゃんの顔は、とても苦しそうだった。