ドアを開けると、カランコロンカランと備え付けてあるベルが鳴った。

「いらっしゃいませ」

ウエイターがわたしたちの来店に気づいて声をかけた。

その時に彼と目があったのだけれども、わたしを見たその人の目が大きく見開かれたことに気づいた。

何だろう?

「2名でよろしいでしょうか?」

そう聞いてきたウエイターに、
「はい、2名です」

高崎さんは答えた。

「では、こちらのお席へどうぞ」

ウエイターに案内されるように、わたしたちは窓際の席へと足を向かわせた。

お昼を過ぎだと言うこともあってか、店内はそんなにも人がいなかった。

向かいあうようにして椅子に腰を下ろすと、
「メニューが決まりましたらお呼びください」

ウエイターはペコリと会釈をするように頭を下げると、奥の方へと消えて行った。