「ただいまー」

家に帰ると、由真ちゃんはまだ帰ってきていなかった。

リビングの電気をつけて壁にかけてある時計を確認すると、もう少しで9時になろうとしていた。

由真ちゃん、いつ帰ってくるんだろう?

そう思いながら、わたしはソファーのうえにカバンを置くとバスルームへと足を向かわせた。

バスタブにお湯を溜めている間に、わたしはバスタオルと下着とパジャマを脱衣かごのうえに置いた。

カバンからスマートフォンを取り出して、夕方に届いた由真ちゃんからのメールをもう1度開いた。

由真ちゃんは由真ちゃんなりに社長とお近づきになったみたいだ。

わたしもわたしで高崎さんとお近づきになっている。

お互いに順調なのかも知れないと、由真ちゃんからのメールを見ながらわたしは思った。