駅に到着した。

ああ、これで高崎さんとお別れか…。

明日になったら会えることはわかっているけれど、やっぱり寂しいものは寂しい。

「今日は、本当にありがとうございます」

ペコリと頭を下げてお礼を言ったわたしに、
「こちらこそ、ありがとうございます」

高崎さんは微笑んで言った。

「それでは、また明日」

「はい、さようなら」

高崎さんは手をあげると、わたしの前から立ち去った。

行かないで、もっとあなたと一緒にいたい。

わたしが手を振ると、高崎さんは手を振り返してくれた。

彼の姿がだんだんと見えなくなって行く。

その後ろ姿が見えなくなったことを確認すると、わたしは改札口の方へと足を向かわせたのだった。