時間が時間と言うこともあってか、どこの飲食店も行列ができていた。

「6階の方に行きましょうか?」

あまりの行列具合にそう声をかけてきた高崎さんに、
「そうですね」

わたしは返事をした。

階段で6階に行くと、そこも行列ができていた。

こんなことならば、もっと早く帰ればよかったかも…。

そう思いながら比較的行列が少なかったイタリアンレストランを選ぶと、わたしたちはそこに入った。

案内された席に腰を下ろすと、
「何とか入れましたね」

高崎さんはやれやれと言うように息を吐いた。

「時間も時間ですからね」

わたしはそう返事をすると、メニューを高崎さんに渡した。

さて、何を食べましょうか。

わたしもメニューを開きながら、心の中で呟いた。