「そうだったんですか」

そう返事をしたわたしに、
「香西さんのデスクのうえを見たらスマホが置いてあったので、これはいけないと思って届けにきました」
と、高崎さんが言い返した。

チーンと、エレベーターが止まった。

わたしたちは一緒にエレベーターに乗った。

1階のボタンを押した高崎さんのすぐ後で、わたしは7階のボタンを押した。

「7階に何か用事ですか?」

そう聞いてきた高崎さんに、
「夕ご飯を食べようかなと思いまして」

わたしは答えた。

「1人でですか?」

「はい、1人です」

わたしが返事をしたら、
「あの、もしよろしかったらですけど…」

高崎さんはそう言って話を切り出してきた。

「一緒に食事をしてもいいですか?」