恋する乙女だなと、わたしは思った。

「いいよねー、由菜は毎日索様の顔を見ることができるんだから!

同じ御曹司でも、あたしのところはヘタレだよ?

1人の女性を口説いても気づかれるどころか、社交辞令だと言わんばかりに交わされてるし!」

「た、高崎さんもいいところはあるよ…?」

わたしがそう返事をしたら、
「まあ、上司としてはいいかなとあたしも思う。

でも優し過ぎるのが玉に瑕なんだよねー、もう少しグイグイと攻めていけばいいのに!」

由真ちゃんは呆れたと言わんばかりに息を吐いたのだった。

あんまりグイグイと攻めてもいいことはないと思うよ。

「あー、索様とお近づきになりたい…」

由真ちゃんははあーっと、深く息を吐いた。