そうだ、“真田さん”だ!

あたしと同じ“真”が入っているから、真繋がりで記憶したんだ!

「あいさつも元気だったし、何かいいことがあったの?」

真田さんが聞いてきた。

彼女は既婚者で3歳になる娘がいると、由菜の情報に書いてあった。

あたしなんか社員の名前とテキトーに描いた似顔絵だけの紙を1枚だけ渡しただけなのに…由菜ったら、社員の名前と特徴を細かく書いた紙を何枚か渡してきたのだ。

本当に、我が姉ながらよくやるよ…。

「いやあ、今日は調子がすこぶるいいんですよー」

ごまかすように笑いながら言ったら、
「…そ、そうなんだ」

昨日までは調子がよくなかったのかと言いたそうな顔で、真田さんが返事をした。

調子がいいも何も、人が違うんだって言う話なんだけどね…。