「ううん、怒っていないよ」

そう答えたわたしに、
「よかった…でも、どうして高崎さんが家にきているの?」

由真ちゃんはホッとしたと言うように言った後、そう聞いてきた。

「そんなことよりも…あたし、索様と話をしたんだ」

由真ちゃんがそんなことを言ったので、
「…社長、怒ってた?」

わたしは心配になって、少しだけ声をひそめた。

「ううん、怒っていないよ」

先ほどのわたしと同じように答えた由真ちゃんに、わたしはホッと胸をなで下ろした。

「あたし、索様と両思いになったんだ!」

そう言った由真ちゃんに、
「えっ、そうなの!?」

わたしは驚いて聞き返した。

「家に帰ったら事情を説明するから。

あっ、索様も連れて行くから」

これは楽しくなりそうだ。

そんなことを思いながら、わたしはフフッと笑った。

高崎さんがそんなわたしを見て、一緒に笑ってくれた。