「でも…わたしは、あなたを騙していて…」

「君たちが入れ替わっていたことに関しては、確かに驚きました。

だけども、僕は君に恋をして君を好きになったことは事実です」

ああ、これは夢じゃない…。

全て現実に、わたしの目の前で起こっていることなんだ…。

そう思ったら、わたしの目から涙がこぼれ落ちた。

「――わたしで、いいんですか…?」

震える声で聞いたわたしに、
「香西由菜さん、僕は君がいいんです。

僕は君のことを好きになったのですから」

高崎さんが答えた。

わたし、すごく嬉しい…。

「――わたしも、高崎さんが好きです…。

こんなわたしでよかったら、よろしくお願いします…」

そう言って頭を下げたわたしに、
「こちらこそ、よろしくお願いします」

高崎さんは頭を下げた。