そっとドアを開けて顔を覗かせると、わたしは驚いた。

そこにいたのは、
「高崎さん…?」

高崎さんだったのだから。

「こんばんは」

あいさつをしてきた高崎さんに、
「こんばんは…」

わたしは呟くようにあいさつを返した。

「香西由真さんは、どちらに?」

そう聞いてきた高崎さんに、
「由真ちゃんは留守です…」

わたしは答えた。

「それじゃあ、君は彼女の双子のお姉さんですね」

高崎さんが言った。

「えっ…ああ、はい」

どうして知っているのだろうと思いながら、わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「名前を教えてくれませんか?」

そう聞いてきた高崎さんに、
「香西由菜です」

わたしは自分の名前を言った。