「ここが『ニノミヤ硝子株式会社』の本社か…」

少なく見ても50階以上はありそうな目の前のビルを見あげて、あたしは呟いた。

立ち止まってビルを見あげているあたしの周りを社員たちがビルの中へと入って行く。

さすが、日本を代表する企業なうえにいくつか支社もある会社だ。

「さあ、頑張りますか!」

あたしはそう呟くと、フンフンと鼻歌を歌いながらビルの中へと入った。

頭の中はこの会社の中にある美味しいと評判の食堂のことだらけである。

安いうえにメニューは豊富で、打ちあわせにやってくる外部の人たちも利用しているそうだ。

どんなメニューがあるのかな?

何を食べよっかな?

あたしはフンフンと鼻歌を歌いながら、更衣室へと足を向かわせたのだった。