「元はと言えば、あたしが蒔いた種なんだもん。

あたしが会社を入れ替わることを提案したから、こんなことになっちゃったんだもん」

「由真ちゃん…」

「だから、あたしがちゃんとケジメをつけるよ」

そう言って笑ったあたしに、
「でも!」

由菜はさえぎるように言った。

「でも…続けることを言ったのは、わたしの方よ。

由真ちゃんは社長と近づきたかったから、わたしが入れ替わりを続けることを言ったんだよ?

ケジメをつけるのは、わたしの方だよ…」

「由菜…」

由菜の目からポロリと涙がこぼれ落ちた。

「ごめんなさい…」

由菜は謝ると、涙をぬぐった。

「謝らなくていいよ、元はと言えばあたしが招いたようなことなんだから…」

あたしが声をかけても由菜はグスグスと泣いていた。