6時に会社を後にすると、香西由真(カサイユマ)は電車に乗った。

自宅の最寄り駅で電車を降りると、その足でスーパーマーケットへと足を向かわせた。

今朝チラシでチェックした安売りの商品をカゴの中に入れると、会計をするためにセルフレジへと向かったのだった。

カバンから取り出したマイバックにスキャンした商品を入れ終えると、画面に表示された金額の会計をした。

スーパーマーケットを後にした由真は大学時代から住んでいるマンションへ帰った。

「ただいまー」

当然のことながら、部屋には誰もいなかった。

(今日は遅番の日だもんね)

由真は心の中で呟くと、マイバックをテーブルのうえに置いた。

それまで身に着けていた服を脱ぐと、Tシャツとジーンズに着替えた。

これが由真の部屋着である。