「お、この販売機、まだあるね。でももうだいぶ古く汚くなったなあ。中身も変わってるし。な、何か飲む?俺、喉乾いちゃったよ」
そう、この販売機。よく覚えている。小学生のころ、通りすがった私に彼が冷たい炭酸を放ってくれた自販機だ。
「間違えたからやるよ」そう言って投げた缶を私は受け取れなくて、地面に転がしちゃったっけ。彼はそれを拾ってくれて、自分のシャツで汚れを拭いてくれた。
でもそのあとプルリングを引き上げたら勢いで噴出したっけ。手がベトベト。ありがとうも言わず、私は彼に文句を並べた。
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