気になって、だけど聞くつもりなんてなかったのに気づけば口から出ていた。
「ねぇ、優斗はさ、私のこと好きなの？」
と……。
言葉にしてからはっと我に返る。
「や、ごめ……なんでも」
「………さぁ、どうだろう。」
「………え…？」
優斗は軽く微笑みながらいつもの調子でそう言った。
「どうだろうね。」
呆然とする私に対し、まるで追い討ちをかけるかのように同じようなことを言う優斗。
笑顔で『そうだよね』って言えたらどれだけ良かっただろう。
私も好きじゃないよって、じゃあこんなことしないでよって言えたらこんな関係もこんな想いもしなくて済んだかもしれない。
なのに言葉が出ない。
この場から立ち去ろうとしたその時、また優斗が口を開く。
「でも、沙織がいないとダメ。
ずーっとそばにいてもらわないと困る。」
意味が、わからなかった。
私のこと、好きじゃないんでしょ？
なら本気で遊んでるだけ？
「好きじゃないならこんなことしないでよ。」
素っ気ない声が思わず出てしまう。
