食べてるところ、動画とか写真撮ろっかな。
美香に見せてやればきっと騒がれるだろう。
「はい!誠。」
「さんきゅ。」
誠はすぐ食べるかな、と思ったけど食べない。
「食べないの?」
「身の危険を感じたからな。」
うっ……、そういうところ鋭いんだ。
「食べてるところ写真撮りたかっただけなの。」
「さらっと気持ち悪いこと言うなよ。」
「私はみんなから感謝される存在の人なんだよ!」
「何かの間違いだろ。」
「誠のポーカーフェイスを崩すから感謝してるんだって。」
「女ってなんで人の表情とか見てんだよ。」
「イケメンの運命だ、諦めろ。」
誠の肩に手を置いてやる。
ドンマイ、とでもいうように。
「俺なんかより優斗の方がよっぽどいいだろ。なんで俺なんだよ。」
「誠も人気になってもらわないと困る!
じゃないと女子全員優斗に集中しちゃうじゃん!」
女好きが発動される優斗は、女子を無視するとか流すとかそういうことはしない。
「俺は沙織に利用されてんのかよ。」
「利用じゃないよ。
誠がイケメンでその上ギャップがあるから人気が止まることないんだよ?」
それだけじゃなくて優しいし。
昨日のバレンタインの話を聞いた女子は、さらに誠を好きになったに違いない。



