「いつしかキスまでされちゃうかもねー。
それは正式に付き合ってからするんだよ?」
「なっ……!
それは絶対ない!
付き合えるわけないじゃん…!」
抱きしめられることはあっても、キスされたことはない。
てことは、私は所詮それまでの人間ってことだ。
「ネガティブだなー、沙織って。
自信持てばいいのに。
沙織以外の女子に加賀が同じようなことしてる相手いてる?」
「そ、それはいないけど……。
女好きの優斗だもん。
隠れてしてるかもしれないし。」
優斗は女の子が大好き。
だから女子には必要以上に優しいし、人当たりもいい。
女子に囲まれてキャーキャー言われても嫌な顔一つもしない。
………ほら、今だって。
いつのまにか誠の前の席に座り、誠に絡んでいた優斗。
その周りには数人の女子が囲っていて、そういうのが嫌いな誠は迷惑そうな顔をしている。
それに比べて優斗は笑顔振りまいちゃってさ。



