なんでこんな単純なんだろ、私。
優斗の言動とか、行動ひとつでこんなにも感情が揺さぶられるなんて。
バカみたい。
どうしてこんなに好きになっちゃったんだろう。
苦しいだけなのに。
……どのくらいそうしていたかわからないけど、しばらく経ちスマホが鳴った。
私がなかなか帰ってこなかったから、誠からメッセージがきたのだ。
【沙織、どうした?】
たったそれだけの短い文なのに、泣きそうになる。
私は気分が悪いから家で寝る、と返して本当に横になった。
目を閉じる。
その時に溢れた涙。
ああ、こんなにも好きなんだなって。
距離を置く。
付き合ってないけど、苦しい。
付き合ってないからこそ、距離を置かれるのが苦しいのかもしれない。
そんな中、いつのまにか眠りについて
私は夢をみていた……。



