「ほら、だからやるよ。
じゃあ次ここからね。」
ここにきて急に勉強の話に戻るし。
そんな自由気ままな優斗に振り回されながら、私は優斗に教えてもらった。
意外にも真面目に教えてくれて、誠同様わかりやすかった。
「よしっ。
なんとか今回の範囲はいける気がする!」
ある程度教えてもらい、理解はできた。
「よかったよかった。
物分かりはいいんだね。」
「これでも順位上の方だから!」
英語のせいで順位が低いだけで、英語さえなければ絶対上位にいたよ私。
「じゃあ英語がやばいってことだ。」
「うん、でもなんとかいけそう。
ごめんね、優斗の勉強もあるのに。」
「いいんだよ、だって沙織の真剣な表情がこんな至近距離で見れたから。」
語尾にハートマーグがつきそうな勢いで話す優斗。
真面目に教えてくれてたと思ってたのに……!
「も、もう大丈夫だから!
優斗は優斗の勉強やって!」
「うん、そうする。」
その言葉に安心し、私は違う教科の勉強をしようと思い、鞄から違う教材をとろうとしたら……
「ねぇ。」
「んー?」
「なんで抱きつくの?
勉強してって言ったよね?」
何故か後ろから抱きしめられる始末。



