“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





私の隣に座った誠。



不機嫌なオーラはもう取り払われていたけど、まだ眠たそうだ。



「遅くまで勉強してたの?」
「ああ。」



「やっぱり賢い子は勉強時間が違うよね…!」
「時間も大事だけど質も関係あるだろ。」



なんて言いながら、またうとうとし始める誠。



いや、子供かっての。
可愛いから許すけど。



確かにこれはギャップにやられるだろうな。
私はもう慣れてるからさすがに萌えたりはしない。



「誠、ご飯食べた?」
「食べてない…」



「じゃあ作ってあげようか?」



私が聞くと、誠ははっと目を開ける。
どうやら目が覚めたみたいだ。



「まじで?」



また、あの輝いた笑顔。
寝起きだから余計眩しい。



「本当に誠って私の作ったやつ好きだよね。」



「沙織、料理上手いから。
沙織が作るやつ大体好きかもしれねぇ。」



誠にしてはらしくないこと言う。
寝起き効果か?