ーーー土曜日



優斗が来るため、ちゃんとした服を着るけど一応楽な格好にした。



家だからオシャレしすぎても意味ないしね。



その上勉強だけだっていうのに、気合い入れてるって思われるのも嫌だ。



準備ができた後、誠の家のインターフォンを鳴らす。



誠はインターフォンには出ずに玄関のドアを開けた。



「お邪魔します。」
「……ん。」



あれ、誠が不機嫌だ。
ということは……



「もしかして寝起き?」
「沙織、来るの早すぎ。」



早すぎって……もう11時なんだけど。



「起きるの遅すぎない?」
「昨日寝るの遅かったから。」



誠は目をこすりながら話す。



「へぇ、誠って夜更かしするタイプなんだ。」
「まあ休みの日はそれなりに。」



誠はキッチンに行き、飲み物を用意してくれた。



私はリビングのソファに座る。



「今日両親は?」
「邪魔になるだろうからって出かけた。」



「そっかぁ。
じゃあリビングで勉強するの?」



「どっちでもいいけど三人ならリビングの方がいいだろ。」



そう言って渡されたコップをお礼を言ってから受け取る。



誠って何かと律儀なんだよね。
私が来る度にこうやって飲み物用意してくれたり。



できる男って感じだ。
知らぬ間に女落としてる、みたいな。



女嫌いなのにね。